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ピラティスとは?効果・歴史・種類・初心者向けの始め方を徹底解説

2025.03.26

ピラティス(Pilates)は、身体のコア(体幹)を中心に、筋力・柔軟性・バランスを高め、姿勢を改善するエクササイズメソッドです。身体を鍛えることだけを目的としたフィットネスではなく、「ボディ(身体)」「マインド(心・意識)」「スピリット(精神・魂)」の三位一体の調和を目指すことが特徴です。
このメソッドは、1920年代にドイツ出身のジョセフ・ピラティス氏(Joseph Pilates)によって考案されました。当初は負傷兵のリハビリ目的で開発されましたが、ハリウッド女優やアスリートたちの間で人気が広がり、現在では世界中で幅広い層に愛されています。
本記事では、ピラティスの歴史・効果・種類・初心者が始める際のポイントまで、詳しく解説します。

1.ピラティスの歴史と誕生の背景

ピラティスの起源は、20世紀初頭のドイツにまで遡ります。ジョセフ・ピラティス(Joseph Pilates)は、1883年にドイツで生まれ、少年時代から体が弱く、喘息やリウマチを患っていたため、健康維持に強い関心を持っていました。この体調を改善するために、ピラティスは様々な運動法を学びました。彼は体操、ヨガ、ボクシング、さらには動物観察を通じて、身体の強化方法を研究したと言われています。

第一次世界大戦が勃発すると、ピラティスはドイツ陸軍の看護師として従軍しました。この期間、戦争で負傷した兵士たちのリハビリテーションを担当し、ピラティスはリハビリ用の器具を開発しました。ピラティスが戦傷兵たちをリハビリする際、ベッドの上にスプリングを取り付けた器具を使用して、寝たままで筋肉を鍛えられる方法を考案しました。この器具は、後にピラティス器具の代表的なものとなる「リフォーマー」の元となったものです。

ピラティスは、負傷兵たちの回復を支援するために、動きを通じて筋肉の強化を促進し、痛みを軽減させる方法を提案しました。これにより、ピラティスのエクササイズ法は、単なる運動からリハビリテーション技術としての側面を強く持つこととなり、他の医療従事者からも注目されました。

戦後、ピラティスは1926年にアメリカへ移住し、ニューヨークに自身のスタジオを開設しました。このスタジオでは、ダンサーやアスリートを中心に、ピラティスの運動法を指導しました。ピラティスは特にダンサーたちから高い評価を受け、彼らの身体能力を高めるためのメソッドとして広まりました。彼が考案したエクササイズは、柔軟性や筋力を高めるだけでなく、身体の深層筋群(インナーマッスル)の強化に特化していました。

ピラティスのメソッドは、当時のダンサーたちにとって非常に効果的であったため、彼の指導は多くのダンス学校や舞台芸術に影響を与えました。ダンサーたちはピラティスを通じて、より効率的な身体の使い方を学び、怪我の予防やパフォーマンス向上を目指しました。この時期、ピラティスのメソッドは「コントロロジー(Contrology)」と呼ばれ、身体の動きをコントロールする技術として広まりました。

2.ピラティスの主な効果とは?

(1) 姿勢改善と体幹強化

ピラティスは、身体の中心である体幹(コア)の安定性を高めるエクササイズです。コア(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋など)は、姿勢の維持や動作のバランスに重要な役割を果たします。ピラティスでは、骨盤、背骨、肩甲骨の正しい配置を意識して動くことが求められます。これにより、日常的に無意識に行っている悪い姿勢(例:前かがみ姿勢や反り腰)が改善され、自然なアライメント(骨の配列)が身につきます。

体幹筋群を鍛えることで、身体全体のバランスが整い、他の筋肉の負担を減らすことができます。例えば、ピラティスのエクササイズによって、腹部や背中の筋肉が強化されると、腰椎(腰の骨)への負担が軽減され、腰痛の予防にも効果的です。さらに、ピラティスでは深層筋(インナーマッスル)を意識的に鍛えるため、外部からの圧力に対しても強い姿勢を保つことができます。

(2) 柔軟性・可動域の向上

ピラティスは、筋力トレーニングに加えてストレッチ要素も多く取り入れられています。筋力を高めるだけではなく、筋肉の柔軟性を養うことで、関節の可動域を広げる効果があります。特に、ピラティスは筋肉を伸ばす動きと縮める動きの両方を行うため、筋肉のバランスを整え、硬くなりがちな筋肉を柔軟に保つことができます。

これにより、関節の可動域が広がり、柔軟性が向上します。柔軟性が増すと、身体の動きが滑らかになり、日常生活の動作やスポーツ時のパフォーマンスが向上します。例えば、ピラティスのストレッチ要素が関節の滑らかな動きを促進し、スポーツ時にケガを予防する効果があります。特に、筋肉が柔軟であることで、急な動きや体勢の変化に対して筋肉が迅速に反応できるようになります。

(3) 呼吸の質の向上

ピラティスでは、呼吸を非常に重要視しており、特に胸式呼吸(ラテラル・ブリージング)が強調されます。胸式呼吸は、横隔膜と肋間筋を活性化させることによって行われます。ピラティスのエクササイズ中に意識的に呼吸を行うことで、深い呼吸が促進され、肺活量が向上します。

横隔膜を使うことで、肺全体に空気を行き渡らせることができ、身体に酸素を十分に供給できます。さらに、この呼吸法は自律神経のバランスを整える効果があります。交感神経と副交感神経の調和が取れるため、リラックス効果が得られ、日常生活でのストレスや不安が軽減されます。深い呼吸を意識的に行うことで、呼吸の質が向上し、より安定した精神状態を保つことができます。

 (4) ストレス軽減とマインドフルネス

ピラティスは「動きの瞑想」とも呼ばれ、エクササイズ中に身体の動きに意識を集中させることが特徴です。この集中力が高まることで、心身の調和を保つことができます。動作一つ一つに意識を向けることで、心が静まり、精神的なリラックスが得られます。特に、ピラティスでは深い呼吸法を取り入れ、身体と心をリンクさせることで、マインドフルネスの状態に導かれます。

マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を集中させ、過去や未来の不安から解放される状態を指します。ピラティスでは、体の動きと呼吸を調和させることが求められるため、心が無駄な思考から解放され、リラックスすることができます。これにより、ストレスが軽減され、日々の生活における心身の疲れや不安感が改善されます。ピラティスは精神的な安定をもたらすため、ストレスの多い現代社会において非常に有益な運動法です。

3.ピラティスの種類:マットとマシンの違い

ピラティスには、主に「マットピラティス」と「マシンピラティス」の2種類があり、それぞれに特徴と利点、欠点があります。以下に、両者の違いをもう少し詳しくご説明します。

(1) マットピラティス

マットピラティスは、床の上で行うピラティスで、専用の器具を使用せず、基本的に自分の体重を負荷として使います。比較的シンプルなエクササイズが多く、特別な準備がなくてもすぐに始められるのが大きな魅力です。

– メリット –

・初心者でも手軽に始められる

マットピラティスは、特別な器具が必要ないため、初心者でも気軽に始めることができます。自宅で手軽に実践できるため、時間や場所に制限がない点も利点です。

・自宅でも継続しやすい

自宅で行うことができるため、ジムに通う必要がなく、時間に縛られることなくトレーニングを続けやすいです。自分のペースで進められるので、継続しやすいという点が挙げられます。

– デメリット –

・正しいフォームの習得が難しい

自重だけで行うため、体重のバランスやフォームに意識を向けることが重要ですが、初心者にはフォームを正しく習得するのが難しい場合があります。正しいフォームで行わないと、効果が薄くなったり、怪我を引き起こす可能性もあります。

・負荷が軽めで効果が出るまで時間がかかる

自重だけで行うため、筋力がつきにくい場合があります。特に上級者やトレーニングを重ねてきた人には、物足りなさを感じることがあるかもしれません。効果を感じるまでに時間がかかることがあるので、特に強化したい部位がある場合は工夫が必要です。

(2)マシンピラティス

マシンピラティスは、**リフォーマー**、**キャデラック**、**チェア**、**バレル**など、専用の器具を使用して行うピラティスです。これらの器具は、スプリングの抵抗力を利用して、筋肉をより深く、精密に鍛えることができるため、効果的なトレーニングを提供します。

– メリット –

・身体の弱点やアンバランスを補正できる

マシンを使用することで、体のバランスを取ることが容易になります。例えば、リフォーマーは筋力の弱い部分やアンバランスを補正するために役立ち、姿勢や動作における不具合を改善することが可能です。機器の補助を受けることで、フォームを維持しやすく、精度高くエクササイズができます。

・負荷を自由に調整でき、個別のニーズに対応

マシンピラティスは、スプリングの強さを調整することで負荷を自由に変更できるため、個々の体力や目的に合わせてトレーニングが可能です。例えば、筋力を強化したい部分に集中的に負荷をかけたり、関節に優しい方法でトレーニングを行ったりすることができます。

– デメリット –

・専用スタジオに通う必要がある

マシンピラティスは、専用の機器を使用するため、自宅で行うことは難しく、ピラティス専用のスタジオに通う必要があります。これにより、時間や場所に制約が出る場合があります。

・費用がかかる

マシンピラティスは、専用の器具を使用するため、レッスンの料金がマットピラティスよりも高くなることが一般的です。また、器具を所有する場合は、非常に高価になるため、特別な施設を利用する必要があります。

4.ピラティスとヨガの違い

ピラティスとヨガは、見た目が似ていることから混同されがちですが、目的やアプローチ方法に違いがあります。  

(1) 起源と歴史

ヨガは、古代インドに起源を持ち、数千年の歴史があります。精神的な修行や瞑想、呼吸法を重視し、心と体を一体化させることを目的としています。ヨガは「ユニティ(統一)」を意味し、身体的な健康だけでなく、精神的な平和や悟りを目指す宗教的・哲学的な側面を強調しています。

ピラティスは、20世紀初頭にジョセフ・ピラティス氏によって考案されました。彼は第一次世界大戦中、リハビリテーションを目的としたエクササイズ法としてピラティスを開発し、怪我からの回復や体力向上を目指すために使われました。ピラティスは、主に体幹(コア)の強化や姿勢改善に焦点を当てたエクササイズ法であり、機能的な身体作りを目的としています。

(2)目的と焦点

ヨガの目的は、身体的な健康、心の平穏、精神的な成長を統合的に追求することです。ヨガの練習には、ポーズ(アーサナ)、呼吸法(プラーナヤーマ)、瞑想が組み合わさり、肉体と精神のバランスを取ることを重視します。ヨガは、身体を柔軟にし、心を落ち着け、エネルギーの流れを整えることを目的としています。

ピラティスは、特に体幹の強化、姿勢の改善、動作の効率化を目的としています。ピラティスは、身体の深層筋(インナーマッスル)をターゲットにし、筋肉のバランスを整え、動きのコントロールを学ぶことに重点を置いています。ピラティスの目的は、身体の機能的な動きを高め、日常生活やスポーツにおけるパフォーマンスを向上させることです。

(3)アプローチと技法

ヨガでは、ポーズ(アーサナ)を長時間維持することが多く、体の柔軟性を高め、筋肉を伸ばすことが基本です。呼吸法(プラーナヤーマ)は、ポーズと連動して行われ、体と心をリラックスさせるために重要な役割を果たします。ヨガでは、心を無にすることや、精神的な集中を高めることが重視されるため、リラックス効果や瞑想的な側面が強いのが特徴です。

ピラティスは、特に体幹の安定性を高めることに焦点を当て、インナーマッスルを活性化させるエクササイズが多いです。ピラティスでは、呼吸法も重要ですが、動きの正確性や体のアライメント(骨の配列)を意識することが重視されます。ピラティスは、リハビリテーションやフィットネス向けに開発されたため、姿勢改善や身体機能の回復を目的として、筋力強化に強いフォーカスを持っています。

(4)効果と利点

ヨガは、柔軟性の向上、筋肉の伸展、精神的なリラックス、呼吸の改善に優れています。特に、心を落ち着け、ストレスを軽減する効果が高いため、精神的な安定や集中力の向上を促進します。また、ヨガは心身のバランスを整えるため、精神的な健康にも非常に効果的です。

ピラティスは、体幹の強化、姿勢改善、筋肉のバランス調整、運動機能の向上に効果的です。ピラティスを行うことで、深層筋が強化され、体全体のバランスが整い、姿勢が改善されます。ピラティスは、特に腰痛や肩こりなどの症状を予防・改善するのに役立ちます。また、身体の動きの効率化が進むため、スポーツや日常生活におけるパフォーマンスも向上します。

(5)運動強度と実施方法

ヨガの強度は、練習する流派やポーズによって異なります。リラックス重視のハタヨガから、ダイナミックでアクティブなアシュタンガヨガまで、さまざまなスタイルがあります。ヨガは、柔軟性やリラックスを重視する傾向が強いですが、力強いポーズやバランスを要するポーズでは筋力や持久力も鍛えられます。

ピラティスは、特にインナーマッスルをターゲットにしたエクササイズが多いため、コアの安定性を強化するために一定の筋力が必要です。ピラティスは、機器(リフォーマー)を使ったエクササイズも多く、これにより負荷を調整し、筋力を効率的に鍛えることができます。ピラティスは、強度を調整しやすいため、初心者から上級者まで幅広く対応でき、特に姿勢や動作改善に効果的です。

5.初心者がピラティスを始めるためのポイント

(1) 目的を明確にする

ピラティスを始める際には、「姿勢を改善したい」「体幹を鍛えたい」「リハビリ目的」など、自分の目的を明確にすることで、最適なプログラムを選べます。  

当店では、「心身の不調改善」「健康的なボディメイク」「パフォーマンスアップ」の3つのプログラムをご用意しております。

(2) インストラクターの指導を受ける

初心者の場合、正しいフォームや呼吸法を学ぶためには、専門のインストラクターの指導を受けることが重要です。特にマシンピラティスでは、プロの指導による個別調整が効果的です。

当店のスタッフは、弊社の研修期間であるI&I Academyの「マシン&マットピラティス講座」「心理コミュニケーション講座」「整体と身体の使い方講座」を受講し、専門的な教育を受けております。

(3) 無理せず継続する  

ピラティスは継続することで効果を実感できます。「10回で気分が良くなり、20回で見た目が変わり、30回で全てが変わる」というジョセフ・ピラティスの言葉を信じて、無理のないペースで続けましょう。 

お一人お一人に合わせた内容をプランニングし、運動が苦手な方でも続けられるように行いますのでご安心ください。

6.ピラティスを継続することで得られる変化

ピラティスを継続することで、身体的な変化だけでなく、心理的な変化も期待できます。以下はその具体的な効果です。

(1)姿勢が改善され、腰痛や肩こりが軽減

ピラティスは、骨盤、背骨、肩甲骨の正しいアライメント(配置)を意識しながら行うため、姿勢の改善に大きな効果があります。長時間同じ姿勢を保ったり、デスクワークやスマートフォンの使用で前傾姿勢が続くと、腰や肩に負担がかかりがちですが、ピラティスによって体幹を強化し、骨格を正しい位置に保つことで、腰痛や肩こりが軽減されることが多いです。特に、背中の筋肉や腹筋、臀部の筋肉が強化され、身体の支えが安定するため、無理のない動きができるようになります。

(2)コアが安定し、動きの質が向上

ピラティスのエクササイズは、深層筋(インナーマッスル)を鍛えることに焦点を当てています。これらの筋肉は、身体の中心部(コア)を支えるため、コアが安定することで、日常的な動きがよりスムーズになります。特に、体幹がしっかりしてくると、身体全体のバランスが整い、立ち上がる、歩く、持ち上げるといった基本的な動作の質が向上します。これにより、スポーツや日常生活でのパフォーマンスも向上し、ケガの予防にも繋がります。

(3)自律神経が整い、メンタルバランスが安定

ピラティスでは、呼吸法が非常に重要です。エクササイズ中に意識的に深い呼吸を行うことで、副交感神経が活性化し、リラックス効果が高まります。これにより、ストレスが軽減され、自律神経が整うことで、心身のバランスが安定します。特に現代社会では、忙しい生活や仕事でストレスが多いため、ピラティスによってリラックスした状態を保ちやすくなります。精神的な余裕が生まれ、前向きな気持ちを維持できるようになります。

(4)自分の身体への理解が深まり、自己肯定感が向上

ピラティスを通して身体の使い方や動きのパターンを学ぶことは、身体の理解を深めることに繋がります。日々のエクササイズの中で、身体がどう動くべきかを意識的に確認することで、自分の身体感覚が鋭くなり、身体の変化を実感しやすくなります。また、身体を適切に扱うことで、身体に対する自信がつき、自己肯定感が向上します。ピラティスは「学びながら成長する」ことを実感できるため、自己評価が高まり、モチベーションが維持されやすいです。

7.ピラティスに関するよくある質問(FAQ)

Q1. ピラティスは何歳から始められますか?
A. ピラティスは年齢に関係なく始められます。子供から高齢者まで、体力や目的に応じたエクササイズが可能です。  

Q2. どのくらいの頻度で行うのが理想ですか?  
A. 週2~3回が理想的ですが、初心者は週1回でも継続することで効果を実感できます。 レッスンと合わせて、ご自宅で習ったピラティスを取り組むと、さらに効果が高まります。

Q3. ピラティスでダイエットはできますか?
A. ピラティスは筋肉量を増やし、代謝を促進することで脂肪燃焼をサポートしますが、食事管理と併用することでダイエット効果が高まります。

【まとめ】ピラティスで心身の調和を手に入れよう

ピラティスは、身体のコントロールと意識の集中を通じて、「ボディ・マインド・スピリット」の調和を実現するメソッドです。初心者でも無理なく始められ、続けることで身体だけでなく、心や精神の変化を実感できます。  

ピラティスを通じて自分自身と向き合い、より健康的で充実した毎日を手に入れましょう。